スタッフブログアパートマンション、工場、施設の修繕・外壁塗装・防水工事に関するマメ知識やイベントなど最新情報をお届けします!

大規模修繕の見積もりの取り方と失敗しないための注意点、チェックポイントを解説

2024.07.28 (Sun) 更新

マンションやビルなどの大規模修繕後、「費用が予想よりも高かった」「依頼後修繕が適切に行われなかった」といたトラブルが発生してしまうことがあります。大規模修繕は費用も高額になるため、しっかりと見積もりを取り依頼する業者を選定することが重要です。今回の記事では、大規模修繕の見積もりの取り方と、取るときの注意点やチェックポイントを解説します。

大規模修繕の見積もりの取り方

 

大規模修繕工事の見積もりを取る流れを、以下にまとめました。

1.工事の仕様を決める

2.見積もりを依頼する業者を選ぶ

3.見積もりを依頼する

4.修繕委員会で見積書の内容を確認する

流れに沿った、大規模修繕の見積もりを取る方法を順に解説します。

 

工事の仕様を決める

まず工事の仕様書を作成し、工事の仕様決めをします。仕様書には、大規模修繕工事の工程、使用する材料の種類や数量グレードなどを記載します。おもな記載事項は以下の通りです。

・修繕内容と工法

・修繕費用の概算

仕様書の作成は専門的な知識が必要です。管理会社に依頼し、作成を担当するコンサルタントの紹介を受けるなどして、作成を進めましょう。

同時に見積要領書の作成も行います。見積要領書には、見積もりの提出期限、費用の支払い条件、必要書類などを記載します。

見積もりを依頼する業者を選ぶ

工事の仕様書と見積要領書がそろったら、大規模修繕工事の見積もりを依頼する業者を選びます。業者は公募や管理組合の紹介、第三者機関への依頼などで複数選びましょう。

見積もりを依頼する

複数の業者を選定し、仕様書をもとに見積もりの依頼を行います。見積もりは複数社へ見積もりを依頼し、比較する相見積もりで請求するようにしましょう。相見積もりをすることで、大規模修繕工事を依頼する業者の比較検討ができます。

修繕委員会で見積書の内容を確認する

見積書がそろったら、大規模修繕委員会で見積もりの内容確認を行います。修繕委員会で見積内容を確認することで、修繕計画がマンションの入居者にとって公平性があるものかどうかを判断できます。

 

大規模修繕で見積もりを取るときの6つの注意点

大規模修繕で見積もりを取るときの注意点は以下の6つです。

・建物診断を前もって行っておく

・費用相場を調べておく

・相見積もりは工事内容を統一する

・「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」を準備しておく

・消費税込みの額で見積りをもらう

・安さだけで業者を選ばない

それぞれの注意点についてくわしく解説していきます。

 

建物診断を前もって行っておく

正確な見積もりを取るためには、大規模修繕を行う建物の正しい状態を把握しておかなければいけません。見積もりを取る前に、建物診断を実施しておきましょう。建物診断を行わない、または適切に行われないときには、見積もり依頼後に修繕が必要な箇所が発覚してしまうこともあります。その場合追加費用が発生し、予想以上に費用が高額となる原因となります。建物診断を行い、建物の状態をしっかり把握した上で正確な見積もりを取りましょう。

費用相場を調べておく

見積もりを取る前に、大規模修繕の費用相場を調べて把握しておきましょう。正しい費用相場を知っておけば、見積もりで出された金額が適切であるか判断できます。参考までに、大規模修繕の費用相場を以下にまとめました。

・1戸あたり約81~100万円

・床面積1平米あたり1万1,931~1万3,096円

※建物の劣化度合いによって変動する場合あり

費用相場と見積書の金額が大幅に違う場合、業者へ理由を確認することをおすすめします。

相見積もりは工事内容を統一する

複数の業者へ同時に見積もりを依頼する場合、工事内容を統一して依頼しましょう。依頼する業者ごとに工事内容を変えてしまうと、費用を正しく比較できません。塗料の種類や施工面積といった工事内容を統一して見積もり依頼をすることで、正確な比較ができます。依頼する業者によって設定価格に差異が生じる場合でも、依頼する工事内容は統一しましょう。

「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」を準備しておく

複数の業者から相見積もりを取るときに、「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」の3つの書類をあらかじめ準備しておきましょう。これらの3つの書類があれば、大規模修繕工事を行う建物の場所や工法、希望工期、具体的に使用する建材や塗料の量や種類といった情報を業者へ提示できます。複数の業者間の相見積もりを同じ条件で請求できるため、依頼を検討する業者を適切に比較、選定できるようになります。

消費税込みの額で見積りをもらう

消費税を含めた金額で見積もりを請求するようにしましょう。見積書の価格に消費税が含まれていないことで、契約後に提示された費用が予想よりも高額となり、予算オーバーとなってしまうことがあります。特に大規模修繕の費用は元々が高額のため、10%の消費税でも数十万~数百万単位での差額となります。見積もりは、正確な金額を把握するためにも、消費税込みでの金額で提示してもらうようにしましょう。

安さだけで業者を選ばない

見積もり請求後、価格の安さだけで依頼する業者を決めるのは厳禁です。価格が安すぎる場合、工事で発生する人件費や建材費を無理に削減したり、手抜き工事をされたりする可能性があります。大規模修繕工事後の施工不良や不具合が発生してしまうこともあるでしょう。また、見積もりの価格自体は安く提示し、後から追加費用を請求されてしまうこともあります。その結果、想定よりも大幅に費用が上がってしまう可能性もあるでしょう。

価格が安いだけで業者を選ばず、相場とかけ離れていないか、適切な価格かを確認して依頼する業者を選定することが重要です。

 

大規模修繕の見積書のチェックポイント

依頼した業者から大規模修繕の見積書が出たら、以下のポイントをチェックしましょう。

・価格や工事内容の内訳が記載されているか

・材料の詳細が記載されているか

・数量や単位が正しく記載されているか

まず、工事価格や工事内容の内訳がこまかく記載されているかを確認しましょう。内訳に詳細が記載されていない場合、後から追加費用を請求されてしまうことがあります。見積書に詳細の記載がなく「一式」のみですべての費用がまとめて記載されている場合は、詳細な内訳を説明してもらうことも重要です。その際には、口頭ではなく必ず書面で残してもらうようにしましょう。書面に残すことで、「言った・言わない」や後からの撤回を防げます。

使用する材料の詳細もチェックしましょう。たとえば塗料の品番やメーカー名などの記載がない場合、グレードの低い塗料を施工時に使用されてしまうことがあります。

材料や建材の数量や単位は間違いなく記載されているかも必ず確認しましょう。施工面積に対して材料の数は適切かどうかも、相見積もりを比較してチェックすることが重要です。

 

まとめ

大規模修繕工事の見積もりを依頼する流れと方法、見積もり依頼時の注意点とチェックポイントを解説しました。大規模修繕工事は名前の通り規模が大きく、発生する費用も膨大です。相見積もりを取り、内容をしっかり確認、比較検討することで大規模修繕工事を依頼する最適な業者の選定につながります。