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大規模修繕工事でかかる費用の相場は?  金額を比較する際の留意点や、コストダウンのアイデアをご紹介

2024.09.12 (Thu) 更新

大規模修繕を計画する際には、まず修繕積立金などで確保された予算をもとに、かけられる費用を考え合わせながら工事内容の吟味や施工事業者選びをおこなうことが一般的です。大規模修繕工事では費用相場なども工事の種類や規模ごとに様々となりますが、本記事では検討時に役立つ情報をまとめて解説しています。

 アパートやマンション、工場施設など様々な建物でおこなわれる大規模修繕は、その不動産の性能や価値を維持するための大切な工事であるため、どうしても一定以上の費用が必要となります。

しかし、その一方で予算には限界があることから、少しでも費用を抑えられないか……と相場情報などを調べられているオーナー様や管理組合の方々もいらっしゃることでしょう。

本記事ではそんな際にご参考となるような情報をまとめて解説しています。

大規模修繕工事の費用を考える際に重要なポイント

大規模修繕工事に際して、選択する工事内容や依頼する施工事業者を費用の面から検討する際には、単純にかかる金額について確認するのはもちろんこと、関連するいくつかの点も同時に検討しておくことが大切です。

以下に、費用とあわせて検討しておくべきポイントをご紹介します。

 

総額費用がいくらかかるか

まずは、予算との兼ね合いからも最も重要な点として、希望する工事内容をすべて含めた大規模工事について、費用の総額がいくらかかるのかを確認しておきます。

大規模修繕工事は建物の資産価値を維持したり、向上したりする目的でおこなわれる大がかりな工事であるため、どうしても一定以上の費用がかかります。とはいえ、修繕積立金などの予算でまかなえないほどの大きな額がかかってしまう場合、金融機関から融資を受けるなど金策も検討しなければならず、工事で得られる価値とはたして釣り合いがとれるのか、という点を慎重に検討しなければなりません。

尚、大規模修繕工事の費用としては工賃のほか足場設置などの準備作業代、塗料などの資材にかかる料金のほか、工事前の建物調査にかかる費用、別途専門のコンサルタントに相談する場合のコンサルタント料など、すべての工程で生じる費用を総合的に確認し、計算しておく必要があります。

計画から着工・完了まで全体的な工事期間はどの程度になるか

複数の施工事業者へ相見積もりをとるなどで費用を比較する際には、あわせて「どのくらいの工事期間になるのか」も確認しておきましょう。

工事期間は建物の住民の方々の暮らし方にも影響する期間であり、また理事会や修繕委員会など、修繕工事のために活動する組織が実際に様々な対応をとらなければならない期間でもあります。

そのため、例えば工事費用は格安だが工事期間が著しく長い、という事業者を選択してしまった場合は、総合的に考えて住民の方々や委員会の方々、オーナーにとって不利益が大きくなってしまう可能性もあります。

工事後、次回以降の周期や回数はどういった見込みになるか

建物の大規模修繕というものは、一度おこなえばそれで終わりというわけではありません。何十年と建物の状態や価値を維持したり、時代のニーズの変化に合わせたりしていくためには、例えば十数年に一度など、長期的な計画で定期的に修繕を実施することが一般的です。

大規模修繕をおこなったあと、次回以降の工事をどの程度の周期で検討すべきかについては、建物の老朽化具合のほか、実施した工事内容や工事の品質によっても変わってきます。

施工事業者ごとの費用を比較する際には、長期的にみた実質的なコストを判断するために次回以降の工事周期についても相談しておくことをおすすめします。

 

大規模修繕工事の費用の相場をチェック!

大規模修繕工事にあたってかかる費用の総額は、建物の規模や状態、実施する工事内容など諸条件によって様々とはなりますが、ここではひとつのご参考情報として、一般的な事例にならった費用相場の目安をご紹介します。

修繕委員会などを立ちあげて具体的に検討する段には、ぜひ専門事業者へ事前ご相談ください。専門事業者では、実際の建物の調査やオーナー様・委員会様からのニーズ聞き取りなどをおこなったうえで、具体的な見積もりをおこなうことが可能です。

 

外壁シリコン塗装を実施する場合の費用目安

2階建て、10世帯以下のアパートの場合……塗料・工賃・足場代など込みでおおよそ100万円台~250万円など

3階建て、15世帯以下のマンションの場合……塗料・工賃・足場代など込みでおおよそ140万円台~400万円など

5階建て、20世帯以下のマンションの場合……塗料・工賃・足場代など込みでおおよそ370万円台~700万円など

屋根シリコン塗装を実施する場合の費用目安

2階建て、10世帯以下のアパートの場合……塗料・工賃・足場代など込みでおおよそ70万円台~200万円など

3階建て、15世帯以下のマンションの場合……塗料・工賃・足場代など込みでおおよそ110万円台~350万円など

屋上ウレタン防水工事を実施する場合の費用目安

4階建て、15世帯以下のマンションの場合……高圧洗浄、工賃、荷揚げ足場代など込みでおおよそ120万円台~350万円など

屋上塩ビシート防水工事を実施する場合の費用目安

4階建て、15世帯以下のマンションの場合……高圧洗浄、工賃、荷揚げ足場代など込みでおおよそ200万円台~450万円など

 

部分的な塗装・補修の費用目安

大規模修繕工事においては、ワンセットになった天井や壁部分の防水工事や修繕工事と併行するかたちで、部分的に不具合が生じている箇所や気になる箇所などについて個別補修や塗装も済ませてしまうことが一般的です。

こういった個別の対応についても、一般的な費用目安をご紹介します。

 

外壁ヒビ割れ補修を実施する場合の費用目安

・タイルの箇所ごとに、おおよそ2,000円台~3,000円など

外壁タイル張替えを実施する場合の費用目安

1平方メートルごとに、おおよそ18,000円台~25,000円など

鉄部の塗装を実施する場合の費用目安

1平方メートルごとに、おおよそ5,000円台~8,000円など

配管の交換を実施する場合の費用目安

1メートルごとに、おおよそ8,000円台~12,000円など

集合ポストの交換を実施する場合の費用目安

・集合ポスト一式ごとに、おおよそ170,000円台~250,000円など

 

大規模修繕工事の費用を抑えるためのポイント

最後に、大規模修繕の工事品質を落とさずに、かかる費用を少しでも抑えたい……と考えられているオーナー様や理事会様に向けて、検討時に大切となるいくつかのポイントをご紹介します。

 

事業者選びは管理会社任せにせず、管理組合と住民でじっくり検討する

マンションやアパートなどの建物で大規模修繕を始めとした様々な工事を実施する際、事業者選びについては面倒なので管理会社任せにしてしまう、というケースも一般的に多いようです。

もちろん、管理会社のほうでも慎重に、コストや作業品質の面などでバランスのよい事業者選定をおこなってくれる可能性がありますが、一方で例えば特定の事業者との付き合いが深い場合などに、工事内容の得意・不得意や費用などの面が差し置かれ、あらかじめ決まった事業者を選定してしまうということも起こりえます。またその場合には、施工事業者から管理会社へ、紹介料や手数料といった中間マージンが発生している可能性もあります。

そのため、なるべく費用を抑えたい場合や工事品質などについて自分たちでじっくり吟味したい場合には、すべてを管理会社任せにはせず、住民の方々や管理組合の方々が様々な情報を比較検討しながら、じっくりと施工事業者を選定するほうが適切な場合もあります。

尚、国土交通省が提示する「標準管理委託契約書」の書式においては、管理会社がとりおこなう業務内容に「長期修繕計画案の作成や見直し」は定められているものの、大規模修繕工事そのものについては契約の範囲外であると定められています。

そのため、例えば管理会社側から主導の提案がもしあったとしても、基本的には住民の方々や管理組合の方々が主導権を持つことが可能です。

実際の各管理会社の業務内容を正確に把握する際には、取り交わしている管理委託契約の内容確認が必要となります

修繕範囲や規模によっては、無足場工法も選択肢に入れる

大規模修繕で屋上部分や外壁など、建物の全体に渡る工事をおこなう際には、基本的に建物のまわりを覆うようなかたちで作業足場が組まれます。

この足場組み作業自体にも工賃が発生するため、もし少しでも費用を抑えたい、尚且つ対応している施工事業者へ依頼できる場合には、足場を組まない「無足場工法」を選択するという方法もあります。無足場工法には、例えば作業員が屋上からロープを伝って施工箇所へアクセスするロープアクセスや、屋上から吊り下げたケージで上下に移動しながら作業をおこなうゴンドラ作業などがあります。

ただしこの場合の注意点としては、そもそも隣家との間隔が足場を組む場合以上に広く必要になる場合があること、また作業範囲がかぎられてしまう場合があることなどが挙げられます。

そのため、あくまで検討材料のひとつ程度として考えておくとよいでしょう。

自社施工の事業者を選ぶ

実は、大規模修繕工事をおこなえる施工事業者とひとくちにいってもその実態は様々で、例えば建物の調査から見積もり、施工まですべて自社でおこなっている完全な専門事業者もあれば、一方で一部の業務を外注委託していて100%自社社員での運用とはなっていない、というケースも多くあります。

後者のケースの場合には、当然のことながら外部へ委託している業務工程において中間マージンが生じているということになるため、どうしても利用者が支払う費用が割高となってしまいがちです。

そのため、払わなくてよい費用は払わずに済ませ、総額費用を少しでも抑えるという面では、自社が業務を100%担当している修繕専門の事業者を選ぶという点も大きなポイントとなります。

 

費用をどのくらい抑えられる? 工事の品質は担保できる? など、具体的な相談はぜひ修繕の専門店へ

本記事では、アパートやマンション、業務施設などで定期的に必要となる大規模修繕について、工事にかかる費用の目安や検討時のポイントなどをご紹介しました。

大規模修繕の目的、かけられる予算やどうしても譲れない条件といった部分は、建物のオーナー様や組合様によって実に様々です。

修繕専門店であれば、そのような実状ごとの様々なニーズにも柔軟に対応できます。具体的なことは決まっていないという検討段階であっても、ぜひお気軽にご相談ください。