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大規模修繕を実施する際には、居住者の過ごし方に制限がかかる? 協力をお願いする内容や、留意点について解説

2024.10.10 (Thu) 更新

大規模修繕工事をマンションやアパートでおこなう際には、工事内容によっては居住者の過ごし方が、いつもとちょっと変わってしまうという場合もあります。代表的な留意点や、よくある質問などをまとめてご紹介します。

 マンションやアパートにおいて、防水面や耐震性を補強したり、年月が経過した構造部分を見直したりといった目的で大規模修繕工事を実施する際には、その建物の住民の方々のご協力も不可欠です。

一般的に大規模修繕工事の事業者においては、住民の方への影響を最低限にできるよう尽力していますが、それでも何点かほぼ制限が発生するようなポイントがあります。本記事では一般的な留意点や、居住者から多く寄せられる質問などをご紹介します。

 

大規模修繕の大まかな流れ

 

大規模修繕中の居住者の過ごし方への影響を検討する際には、工事の大まかな流れをあらかじめ把握しておき、その期間について居住者皆様にも共有しておくことが大切です。

工事にかかる期間や必要となる工程については大規模修繕の内容により異なりますが、一般的な流れとして以下のような工程があることを把握しておくとよいでしょう。

個別の具体的な流れや所要日数についてはぜひ、あらかじめ事業者へご相談ください。

 ・施工事業者との打ち合わせ(居住者様に影響なし)

 ・建物状態調査および分析(基本的には居住者様に影響なし、バルコニー工事など一部の場合にご  協力依頼の可能性あり)

 ・プラン策定、契約(居住者様に影響なし)

 ・工事説明会(参加される居住者様に影響)

 ・仮設工事(居住者様に影響)

 ・下地補修工事(居住者様に影響)

 ・高圧洗浄や塗装工事、防水工事(居住者様に影響)

 ・工事完了、アフターフォロー(フォロー内容によって居住者様に影響)

 

大規模修繕工事中の注意点

 

大規模修繕工事をおこなう際には、あらかじめ日程や各工程における作業内容、注意事項やご協力のお願いなどについて、事業者からチラシなどの方法で告知されます。

特に、足場や危険な箇所には近づかないようにしていただくという点や、換気の問題、バルコニーでの洗濯物干しについてなどが居住者様にも直接的に影響するポイントとなりますので、管理会社様や管理組合様にもご協力をお願いし、全世帯へ周知することが必要となります。

例えば旅行で一部の期間、在宅していない居住者様がいる場合や、別途個別に宅内でのリフォーム工事を計画している居住者がいる場合などには、あらかじめ事業者へご相談ください。

 

工事中の過ごし方について居住者からのよくある質問

 

大規模修繕工事を実施する際には、工事期間中の過ごし方について建物のオーナー様や管理組合様から、居住者の方々へあらかじめ説明しておく必要があるでしょう。

実際に大規模修繕工事を計画される際には、ぜひ詳細について修繕施工事業者へお問合せください。

以下では事前検討段階でのひとつの目安として、居住者様からのよくあるご質問、および一般的な工事内容における回答例をご紹介します。

 網戸を外しておく必要はある?

建物内の各居室で取り付けられている網戸やサッシについては、専有部分ではなく共用部分となります。そのため、工事範囲にベランダやバルコニーが含まれている場合には、工事の品質や作業の円滑性を確保する目的で、必要に応じて網戸やサッシの取り外しをお願いする場合があります。該当するケースとしては、バルコニー部分で床面の防水工事や壁面・天井の塗装をおこなう際、および網戸・サッシ周辺のシーリング工事をおこなう際などとなります。

網戸などを取り外す際には外部からの作業のみでは取り外せない場合が多く、室内でのビス緩めの作業が必要となるため、あらかじめ告知したうえで在宅ご協力をお願いする場合がございます。

バルコニーはどの程度片づけておけばよい?

修繕工事にあたっては安全性を最優先に、居住者様の生活上のご負担もなるべくおかけしないよう心がけておりますが、工事範囲にベランダやバルコニーが含まれている場合には作業を円滑にすすめるために多少のお片付けを依頼させていただく場合がございます。また工事工程において外壁高圧洗浄などもおこなわれるため、居住者様の私物を汚さないよう室内に入れていただくよう、お願いさせていただく場合がございます。

 BSCSのアンテナは取り外しておくべき?

ベランダやバルコニー周辺を取り囲む⾜場を設置時、干渉する位置にあった場合には、BSCSのアンテナを一度取り外すことをお願いする場合がございます。また、足場の仮設後にメッシュシートを敷設した際、アンテナに電波が届かなくなる可能性もあることをご承知おきください。必要に応じて、工事期間中の一時視聴中止といった契約手続きをしておかれることをおすすめいたします。

 期間中、洗濯物は干せる?

修繕工事中は足場の設置、下地補修工事などによってベランダやバルコニー部分に埃や粉じんが舞う可能性があり、また塗料や泥水が飛散してしまうおそれがあります。そのため基本的に洗濯物を干すことはお控えいただきます。

ただし建物全体の工事期間が例えば数か月など長期に渡るような場合でも、各戸に直接該当するエリアごとの各工程は細かな日程分けをさせていただくことが一般的です。全体としての工事期間中であっても、お部屋の場所によっては洗濯物を問題なく干せる期間が生じる可能性もありますので、事前に日程をご確認ください。

シートや足場など遮断物の影響で室内は暗くなる?

工事期間中に足場が組まれる場合には、足場の影響により平時と比べて、お部屋に入り込む日光が大幅に少なくなってしまう可能性があります。

また工具の落下や塗料の飛散などの危険から居住者様を守るための養生シートについても少なからず影響がありますが、工事の種類によっては透過性の高いメッシュシートを採用できる場合があります。

工事中に匂いは出る?

特に外壁やバルコニー床部分の塗装をおこなう際には、塗料が発する匂いが一定期間、居住区間に届いてしまう場合があります。

また、塗装に使用する塗料は人体に影響を与えない設計のものや影響がきわめて少ないものを選択できるようにしておりますが、それでも日常的に直接吸引してしまうような状況を避けていただくため、換気時に開ける窓の場所などについて、工事期間中は限定するようなお願いをさせていただく場合がございます。

車や自転車は移動しておかなければならない?

建物を囲む足場の想定エリアが普段のご駐車・ご駐輪スペースと重なってしまう場合や、工事工程において器具や資材などの置き場として駐車場・駐輪場を利用させていただく場合には、車や自転車の移動をあらかじめお願いさせていただくことがございます。

全工事期間のなかの実際のどの期間において、どのような場所が利用不可になるかを事前に告知させていただきます。

大規模修繕中に、別途個別のリフォームなどを行っても問題ない?

大規模修繕の工事期間中、別途居住者様が他の事業者様などへ室内の個別工事を依頼される場合には、当該作業の期間および箇所などによっては作業干渉の影響があり、いずれかの作業や工事が円滑にすすまなくなる可能性がございます。そのため、当該期間中の室内個別リフォームなどを検討されている場合には、あらかじめ管理会社様を通じて詳細をご相談ください。

 

大規模修繕工事中の管理組合の関わり方はどうなる?

大規模修繕期間中には、前述の居住者様の過ごし方に一部制限がかかることなども含め、管理組合(理事会や修繕委員会)様が中心となって、様々なご協力をお願いしながら工事を進める場合が多くなります。

そもそも大規模修繕工事の計画時においても費用面での居住者全員の協力も欠かせないため、あらかじめ工事について「自分たちの資産の価値を維持する」という共通の目的をもっていただけるよう、組合内と居住者様で意思決定やコミュニケーションをおこなっていただくことをおすすめします。

 

大規模修繕期間中に可能性がある「過ごし方の制限」については事前に周知が必要

大規模修繕工事において、居住者の方にかかる過ごし方の制限については工事内容によっても異なりますが、本記事では一般的な事例をピックアップしてご紹介しました。

例えば洗濯ものを干せない期間や、駐車場を利用できない期間など、居住者によっては「いきなり言われても困る」という面が大きいかもしれません。

大規模修繕工事を計画する際には、工事内容によって異なる「住民へ周知しなければならないこと」についてもぜひ事前に、修繕専門店へご相談ください。